ファーミラ 開発新棟のご紹介
ファーミラ 開発新棟のご紹介
2022年10月24日発のプレスリリースでも御紹介いたしましたが、ファーミラでは2022年9月に自社の拠点となる開発新棟の建設に着工いたしました。
※プレスリリース
( https://www.pharmira.co.jp/dcms_media/other/PR%2020221025-1%20shintou.pdf )
この新棟は2023年7月に完工し、ファーミラの新拠点として10月より本格稼働を予定しております。
この開発新棟は、オフィス機能とともに医薬品の連続生産を志向したR&D機能と治験薬製造機能を兼ね備えており、最新の実験・製造設備の導入を予定しております。
今回は、開発新棟の概要と実装予定の設備についてご紹介いたします。
開発新棟の主要機能
新棟建設工事の様子
エリア | 部屋 |
オフィス/物流エリア | 事務室、原料・中間体保管室、冷蔵室、冷凍室 |
R&Dエリア | 実験事務室、高薬理活性対応実験室×1、一般実験室(将来)×2、 分析室、少量危険物保管庫、中量合成室(将来) |
治験薬製造エリア | 高薬理活性対応製造ライン×1、一般薬対応製造ライン(将来)×1、 工程分析エリア |
R&Dエリアについて
R&Dエリアには最大3系列の実験室と分析室、保管庫が構築される予定であり、主に連続プロセスによる医薬品中間体・原薬の製法開発や少量合成に対応いたします。
各実験室にはドラフトチャンバーの他、複数のフロー合成装置、フロー晶析装置の他、医薬品連続生産の製法開発において重要な役割を果たすPATツールを複数導入し,製法開発の迅速化に対応してまいります。
また、初期に実装される実験室は高薬理活性対応となっており、取扱量も加味することでOEL※ 0.1~10μg/m3に対応可能です。
※ Occupational Exposure Limit:作業者曝露許容限界
高薬理活性対応実験室イメージ
機器ラインナップ
部屋 | 主な設備・仕様 |
高薬理活性対応実験室 | 封じ込めヒュームフード×8、フロー合成装置×4、パーソナル有機合成装置×1、 フロー晶析装置×2、ロータリーエバポレータ×2、棚式真空乾燥機×2、 PAT装置×4、HPLC×4、など |
治験薬製造エリアについて
日米欧3極GMP、PIC/S GMPに対応した製造ラインは、秤量を行う秤量室、反応、抽出、濃縮を行う合成エリア(製造室)と晶析、分離、乾燥を行う精製エリア(製品室)で構成されており、ファーミラが装置開発、製作を進めているフロー合成モジュールやフロー晶析モジュールがそれぞれ導入される予定です。
また、製造ラインは高薬理活性中間体・原薬に対応しており、OEL 1~10μg/m3に対応可能です。(将来0.1~10μg/m3にも対応予定)
製造機器は室内に設置されたウォークインブース内で運転されるため、十分な換気維持システムにより危険物を安全に取り扱うことが可能です。
製造スケールは20L程度で、少量の危険物取扱に対応しております。
治験薬製造エリアイメージ
機器ラインナップ
部屋 | 主な設備・仕様 | 製造スケール |
秤量室 | 封じ込め秤量ブース | - |
製造室 | 3連フロー反応モジュール 20L攪拌槽 20L濃縮機 |
~約2kg/day |
製品室 | フロー晶析モジュール | ~約2kg/day |
フィルタードライヤー×2 | ||
封じ込め秤量ブース |
さいごに
新棟の完成によって、既に稼働している2棟のバッチ治験薬製造棟と併せ、技術開発・製造体制がさらに強化され、医薬品の連続生産技術の開発加速化と受託開発・受託製造の幅広い遂行が可能となります。
これにより、お客様よりお預かりする開発品の開発期間の短縮化や製造のスピードアップなど、受託サービスおよび製品価値の最大化に貢献してまいります。