ファーミラの連続生産技術(フロー合成)
連続生産(フロー合成)とは
製造プロセスが稼働している期間中,連続的に原料又はそれらの混合物を製造工程内に供給し、生産物を継続的に生産する方法
医薬品の連続生産を導入する際の考え方について (暫定案) [PMDA 2018]
連続生産は一連の2つ以上の単位操作で構成される統合プロセス
Quality Considerations for Continuous Manufacturing
- Guidance for Industry - DRAFT GUIDANCE [FDA 2019]
医薬品の連続生産
管理戦略により 連続生産で製造された製品が均質で 望ましい品質を有していることを保証することが必要
連続生産を導入するメリット
スライドでご覧いただけます。
医薬品開発の急速な短期間化
- 迅速審査
- 新型コロナウイルス関連の緊急使用許可
開発期間の短縮
- スケールアップ不要
- 開発コスト削減
- 製造法開発期間の短縮
スケールアップR&D費用、
試製バッチ費用、原料費、
申請安定性試験費用、
技術移転費用等の削減
国内医薬品の安定供給確保
- 抗菌剤国内安定供給
- グローバルサプライチェーンの見直し
- 米国含む各国で同様の動き
フレキシブルな生産体制
- 製造コストの削減
- 原薬の安定供給
- 柔軟な生産量の調整
医薬品品質に関する規制強化
- ICH※1M7(変異性不純物)
- ICH Q3D(元素不純物)
精密な品質管理・保証
- PAT※2ツール、RTRT※3の適用によるオンラインの品質管理
スケールアップによる変動
リスクの回避
作業者保護、環境保全
- 高薬理活性原薬の増加
- 省エネルギー、CO2排出量削減
環境負荷低減
- 製造の自動化、製造ラインのコンパクト化
- 高効率な製造による各種廃棄量の削減
※1 ICH:医薬品規制調和国際会議
※2 PAT:Process analytical technology
※3 RTRT: Real time release testing
連続生産とバッチ生産の比較
バッチ生産 | 連続生産 | |
原材料の投入/生産物の回収 | ■原料を全量または分割して非連続的に製造設備に投入 ■操作完了後,生産物が一斉に取り出される |
■原料又は混合物を連続的に製造工程内に投入 ■製造後の生産物を連続的に取り出す |
作業員の介入 | あり(単位操作毎にスタート/ストップ) | なし(単位操作を連結し,次工程へ自動的に移行) |
品質管理 | 工程パラメータ管理,工程管理試験,Real time release testing,規格試験等 | 左記に加え,In line試験結果に基づく一定時間内の不良品排除等 |
スケールアップ | スケール毎の検証作業が必要 | 開発時の機器を実生産スケールと合わせると,検討効率化が可能(→速やかな実生産化が可能) |
生産施設面積 | 広い | 狭い |
手法の選択背景 | 基礎化学品と比較すると,大量生産の必要性が低く,高収益性であるため,バッチ生産で事足りていた | 医薬品の低コスト化・品質向上要求の高まりに合わせ,導入されるようになってきた |
製造量 | 仕込量 x バッチ数 | 製造速度 x 時間 |
ファーミラの連続生産の特徴
原薬品質に対する影響の大きい単位操作である、反応・晶析の技術開発に注力
- 光反応、特殊反応、水添反応などのフロー合成、連続製法への適用
- 連続晶析の適用
ー 結晶多形および結晶粒径の制御、粉砕工程の省略
ー 再現性のある高度な品質制御 - 製造能力:0.02~0.1㎏/h
連続生産を適用した製造フロー(バッチと連続のハイブリッド製造)
装置・技術の一例
フロー反応装置
Syrris Asia
(フロー反応検討装置)
Vapourtec
(フロー反応検討装置)